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報告書

水銀標的の気泡注入性能向上のための機械学習を用いた最適化

粉川 広行; 二川 正敏; 羽賀 勝洋; 都築 峰幸*; 村井 哲郎*

JAEA-Technology 2022-023, 128 Pages, 2022/11

JAEA-Technology-2022-023.pdf:9.0MB

大強度陽子加速器施設(J-PARC)の物質・生命科学実験施設では、ステンレス製の水銀標的容器内で流動する水銀にパルス陽子ビームを繰り返し入射し、核破砕反応により生成する中性子を最先端科学実験に供する。パルス陽子ビーム入射に伴い、水銀中には圧力波が発生し、圧力波の伝播と容器変形の相互干渉に起因するキャビテーション損傷、特に陽子ビーム入射部の損傷が標的容器の寿命を支配する。圧力波及び損傷の低減対策として、ヘリウムの微小気泡を水銀中に注入する方法を開発し、圧力波及び損傷の低減を実証した。所期の1MWの大強度陽子ビーム下における水銀標的容器の耐久性を向上させるには損傷をさらに低減する必要がある。微小気泡による圧力波低減効果の向上には、水銀中での直径が150$$mu$$m以下である気泡の体積含有率を高めることが求められる。気泡生成器から注入した気泡は浮力による上昇や流動過程での合泡などを起こし、水銀内を流動中に気泡の体積含有率は低下する。気泡生成器の設置位置を損傷が激しいビーム入射部に近づければ、ビーム入射部近傍の気泡体積含有率の低下を防ぐことが可能である。しかし、ビーム入射部に近づくほど、気泡生成器の設置空間が狭く流動抵抗が大きくなるため、冷却に十分な水銀流量の確保が困難になることや、水銀流速の低下により生成気泡径が大きくなる等の弊害が生じる。そこで、標的容器のビーム入射部近傍でより小さな気泡を高い密度で分布できるように、標的容器内部における気泡生成器の形状や設置位置、さらに水銀流動案内羽根の形状に関して機械学習による設計の最適化を試みた。気泡分布を考慮した水銀標的構造の設計では、多数の設計変数を考慮する必要があることから、ラテン超方格法に基づき約1000ケースの設計変数について数値解析を実施し、その結果を学習データとしてビーム入射部近傍での気泡分布(サイズや数密度)が最適になる設計を決定した。水銀の流量は標的容器の温度に、気泡生成器の形状は製作性や生成気泡径に影響を及ぼすことから、これらを制約条件とした。その結果、ビーム入射部近傍で半径が150$$mu$$m以下の気泡の密度を約20%増大できる解を見出した。

論文

J-PARCにおける核破砕中性子標的

羽賀 勝洋

加速器, 18(4), p.210 - 216, 2022/01

高出力加速器を用いたパルス核破砕中性子源は、物質科学や生命科学の分野において最先端の研究を行うために適した高強度で幅の狭い良質な中性子を供給できる有用な装置である。このシステムでは、高出力加速器で作り出すkWからMWオーダーの陽子ビームを重金属の標的に入射し、標的原子核との核破砕反応により大量の中性子を生成し、この中性子を減速材や反射体で熱・冷中性子に減速し、先端的な中性子実験装置群に供給する。本稿では主にJ-PARCのパルス核破砕中性子源について、中性子ビームを生成するしくみと中性子源の構造の概要、水銀標的等の標的の工学的設計手法、パルス陽子ビームの入射により水銀中で発生する最大40MPaにも達する圧力波による標的容器の損傷を低減する方法などの技術課題とその対策について解説する。

論文

Current status of pulsed spallation neutron source of J-PARC

高田 弘

JAEA-Conf 2017-001, p.51 - 56, 2018/01

大強度陽子加速器施設(J-PARC)のパルス核破砕中性子源は、エネルギー3GeV、繰り返し25Hz、ビーム強度1MWの陽子ビームで生成した中性子ビームを中性子実験装置で利用し、物質科学の多様な先端的研究を推進することを目的としている。2015年には、1MW相当の陽子ビームパルスを初めて入射し、また、利用運転のビーム強度を500kWに上げた。この中性子源の減速材システムは最適化設計により、(1)濃度100%のパラ水素を使用して高いピーク強度かつ幅の狭いパルス中性子ビームをつくる、(2)直径14cm、長さ12cmの円筒形状を採用し、高強度の中性子を50.8$$^{circ}$$の広角度範囲に取り出すことができる、(3)Ag-In-Cd合金による中性子吸収材を使用し、幅が狭く減衰の早いパルス中性子が得られる。これにより、世界最高強度のパルス中性子ビームを供給する性能を有している。現在、1MWで年間に5000時間の運転を行うという目標に向けて、水銀標的容器前部で生じるキャビテーション損傷を、微小気泡を注入して抑制する技術開発を実施中である。また、2015年に500kWのビーム強度で運転中、水銀標的の水冷保護容器が2回不具合を起こしたため、標的容器構造の設計改良に取り組んでいる。

論文

日本原子力研究所大強度陽子加速器施設開発センター中性子施設開発グループ,ターゲットサブグループ

粉川 広行

実験力学, 5(1), P. 64, 2005/03

日本原子力研究所東海研究所では、大強度陽子加速器施設J-PARCの開発・建設を進めている。中性子施設開発グループは、J-PARC施設の一つである物質・生命科学実験施設の核破砕中性子源の開発をおもに行っている。核破砕中性子源では、加速器で加速されたパルス陽子ビームを、水銀ターゲットに入射し、核破砕反応によって発生した中性子を測定実験に供する。水銀ターゲットに関する主な課題を示す。(1)水銀中に圧力波が発生し、水銀ターゲット容器に負荷を与える。実際に水銀に陽子を入射して圧力波を発生させ、容器の変位速度を、レーザードップラー振動計を用いて計測し、その結果をもとに、応力解析の高精度化を行っている。(2)圧力波の伝播によって、水銀中にキャビテーションが発生して、容器に損傷をもたらす。水銀中で繰返しキャビテーション損傷を与える装置を製作し、キャビテーション損傷のデータを、レーザー顕微鏡を用いて取得し、容器の寿命評価手法を開発している。(3)He気泡注入機構を設置した水銀ループを製作し、キャビテーション損傷に対する微小He気泡の影響を評価し、圧力波、及びキャビテーション損傷の抑制技術を開発する計画である。これらの課題を解決しながら設計を進めている。

口頭

Thermal hydraulic design of double-walled mercury target vessel

羽賀 勝洋; 直江 崇; 涌井 隆; 粉川 広行; 木下 秀孝; 二川 正敏

no journal, , 

J-PARCの1MW核破砕中性子源の水銀ターゲット容器では、大強度のパルス陽子ビーム入射に伴い水銀中で発生する圧力波で誘起される容器壁面のキャビテーション損傷が、容器寿命を左右する重要な要因となる。これまでの解析的及び実験的研究や、米国のSNS施設の運転経験により、壁面近傍の速い水銀流れがキャビテーション損傷を抑制する効果を持つことが分かってきた。同様な効果を得るために、J-PARCのターゲット容器において陽子ビームが入射する壁面(ビーム窓部)の内側に壁を設けて二重壁構造とし、幅2mmの狭隘流路を形成した。計算コード(ANSYS Fluent)を用いた解析の結果、狭隘流路内では水銀流速を4m/sにまで高められることが分かった。また、内壁に円形の穴を設けたモデルをつくり、損傷による影響を解析および水実験で調べた結果、穴の大きさが10mm程度なら狭隘流路内の水銀流速への影響は小さく、外壁(ビーム窓部)へのキャビテーション損傷の抑制効果は維持できる可能性のあることを見い出した。

口頭

1MWへ向けた水銀ターゲットシステムの取り組み

羽賀 勝洋; 直江 崇; 涌井 隆; 粉川 広行; 二川 正敏; 甲斐 哲也; 木下 秀孝; 高田 弘

no journal, , 

J-PARCの水銀ターゲット容器では、大強度のパルス陽子ビーム入射に伴い水銀中で発生する圧力波で誘起される容器壁面のキャビテーション損傷が容器寿命を左右する重要な要因となる。200kW以下のビーム強度で470MWh照射した水銀ターゲット容器初号機のビーム窓部には、最大0.25mmの深さの損傷が確認され、損傷への対策の重要性が再認識された。次の水銀ターゲット容器では、キャビテーション損傷を低減するために技術開発を進めてきた微小気泡注入システムを実装し、陽子ビーム出力をそれまでの200kWから300kWに上昇させて2050MWhの照射を行った。このターゲット容器のビーム窓部から試験片を切り出し、カメラによる目視確認を行った結果、壁面に顕著な損傷は確認されず、微小気泡の注入が損傷の低減に有効であることを実証した。現在稼働している水銀ターゲット容器は、気泡注入システムに加え、ビーム窓部の内側に壁を設置し、流路幅2mmの狭隘な流路を形成する二重壁構造とした。狭隘流路内の平均流速は3.7m/sと速くなるため、壁面近傍で生ずる水銀流れの急峻な速度勾配により、キャビテーション気泡の成長と崩壊を変形させ、その衝撃力を低減するものであり、今後、400kWから600kWまで段階的に強度を上げた運転を行い、その効果を確認する予定である。

口頭

流れ場におけるキャビテーション気泡崩壊挙動の実験的考察

川村 駿介; 直江 崇; 池田 翼; 田中 伸厚*; 二川 正敏

no journal, , 

J-PARCのパルス核破砕中性子源で使用されている水銀を内包するステンレス鋼製のターゲット容器は、陽子線入射時に発生する水銀中圧力波が引き起こすキャビテーションによる損傷を受ける。この損傷を低減するために、ターゲット容器の先端部には狭隘流路を有する二重壁構造のターゲット容器が施されている。狭隘流路構造においてよるキャビテーション損傷が低減される効果があることが実験的に確認されているものの、その損傷低減のメカニズムは明らかになっていない。本研究では、狭隘流路内でのキャビテーション気泡の挙動を把握するための基礎研究として、まず、流動条件下で、水中火花放電により発生させたキャビテーション気泡の成長・崩壊挙動を高速度ビデオカメラを用いて詳細に観察すると共に、気泡崩壊時の壁面の振動を測定した。その結果、流速の増加に伴い、気泡崩壊時に放出されるマイクロジェットの壁面に対する角度が下流側へ傾斜すると共に、壁面の振動が低減することを明らかにした。

口頭

核破砕中性子源水銀標的の耐久性向上に向けた研究開発,1; ガス気泡の損傷抑制効果のメカニズムと損傷観察結果

粉川 広行; 川島 広之; 有吉 玄; 涌井 隆; 猿田 晃一; 直江 崇; 羽賀 勝洋; 二川 正敏; 祖山 均*; 久慈 千栄子*; et al.

no journal, , 

J-PARCの核破砕中性子源施設では、使用済み水銀標的容器の保管数削減の観点から、容器の耐久性向上が求められている。容器の長寿命化のために、水銀中にヘリウムガスの微小気泡を注入して、ガス気泡が陽子ビーム入射による水銀の熱膨張を吸収することで、損傷の要因となる圧力波を低減する運転を実施している。容器の損傷を観察した結果、ガス気泡の注入量増加によって損傷の抑制を確認した一方で、ガス気泡からの衝撃圧によるものと考えられる損傷を観察した。耐久性を向上するためには、微小ガス気泡によるキャビテーション抑制効果とガス気泡が発する衝撃圧力の相関を把握して最適な気泡条件を見出すとともに、照射損傷に対する材料の健全性評価及び異常診断技術の導入が重要となる。本報では、シリーズ発表の第1報として、高出力条件下での長寿命化を目指した水銀標的の研究開発の概要とガス気泡の攻撃によると考えられる損傷結果について報告する。

口頭

核破砕中性子源水銀標的の耐久性向上に向けた研究開発,2; 気泡崩壊に伴う局所衝撃力における支配因子

川島 広之; 粉川 広行; 二川 正敏; 祖山 均*; 久慈 千栄子*; 田中 伸厚*

no journal, , 

J-PARC水銀ターゲットでは、キャビテーション損傷抑制を目的としたヘリウムガス気泡の注入が行われている。しかしながら最近、この注入ガス気泡が損傷を引き起こしている可能性が示された。高出力、耐久性向上のためには、「注入ガス気泡による損傷抑制効果」と「注入ガス気泡による損傷度合」とのバランスの最適条件を明らかにすることが重要である。本研究では注入ガス気泡の最適条件の提案を目的とし、その第一段階としてガス気泡崩壊時に生じる局所衝撃力に着目した。水中火花放電法を用いて壁面近傍に気泡を生成し、その挙動を高速度撮影するとともに、局所衝撃力による壁面での振動速度をレーザードップラー速度計で計測した。加えてKeller-Miksisの式による気泡挙動計算を行った。本報では、壁面近傍での衝撃力と気泡挙動との相関について議論する。

口頭

核破砕中性子源水銀標的の耐久性向上に向けた研究開発,3; 合泡現象に関する実験的観測および数値予測コードの開発

有吉 玄; 伊藤 啓*; 粉川 広行; 二川 正敏

no journal, , 

大強度陽子加速器施設(J-PARC)における核破砕水銀標的では、圧力波による標的容器のキャビテーション損傷が問題視されており、水銀中に微小He気泡を混合した水銀-He二相流を利用する損傷抑制技術が開発されている。圧力波の抑制・減衰に有効な固有振動数を有する気泡の半径は約0.1mm以下とされているが、水銀流中における微小気泡の合体・分裂挙動により、最も損傷抑制が要求される陽子ビーム窓部の気泡半径が適正値と異なり得ることが予想される。したがって、水銀-He二相流における気泡半径分布等の二相流特性に関する実験データの取得およびそれを基にした予測モデルの構築が必要となる。そこで本研究では、水銀標的内部における気泡半径分布の予測を目的として、空気-水二相流をモデル流体とした微小気泡の合体・分裂挙動の可視化実験および数値予測コードの開発を行った。本報では、可視化実験結果および予測コードの開発状況について報告する。

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